【CAPM(キャップ・エム)capital asset pricing model】
市場が効率的であるとの過程の下で、株式などのリスク資産の均衡価格がいかに形成されるかを説明するためのモデル。あるリスク資産の期待収益率と投資リスク(=ベータ)との間には、下式の関係があるとする。
リスク資産の期待収益率=安全利子率+(市場収益率-安全利子率)×ベータ
ここで、安全利子率とは無リスク資産の利子率のことであり、一般には国債の利回りを用いる。市場収益率とは、株式の場合、株式市場全体の収益率である、一般的には過去数十年の統計数値を用いる。また、「市場収益率-安全利子率」をマーケットリスクプレミアムという。CAPMは現代のポートフォリオ理論の根幹をなす考え方であり、様々な実証研究による批判や、代替理論の提唱も行われている。提唱者のウィリアム・シャープは、この業績により1990年ノーベル経済学賞を受賞。資本資産評価モデル、資本資産価格モデルなどと訳されるが、訳語が定まっておらず、日本でもCAPM(キャップ・エム)と呼ばれることが一般的である。→ベータ