ゴールデン・パラシュート golden parachute
役員に対する多額の退職慰労金を指す。買収防衛策の1つとして位置づけられる。企業が買収される場合役員が解任されるが、退職慰労金を多額にし解任を難しくすることによって、買収そのものを防ぐことが目的である。企業を飛行機に見立て、これから「金でできたパラシュートで脱出する」という意味である。従業員の解雇一時金についても高額にして同じく買収防衛策することがあるが、これは役員に比べると金額が低いためティン(ブリキの意)・パラシュートと呼ばれる。
【コミュニケーション・ミックス communication mix】
企業自身や製品についてのマーケティング・コミュニケーションを行おうとする企業が採用する、コミュニケーション手段の組み合わせを指す。例えば新製品を投入する企業は、テレビ広告、新聞広告、新製品についてのプレス・リリースと新聞や雑誌へのPR、スーパーマーケットの広い売り場を確保することによる露出の向上、商業集積地での発売記念イベントなどを重層的に行う。どんなコミュニケーション手段をどの程度実施し、どれだけのコストをかけるかを決定し、期待効果を想定するのがコミュニケーション・ミックス戦略である。
【ゴミ箱モデル garbage can model】
【コパレートガバナンス corporate governance】
日本語では企業統治である。企業には様々なステイクホルダーが存在し利害が相反するが、コーポレートガバナンスはこれらの利害を調整し、どのような主体性の下で経営されるかを検討・実現するものである。米国では主の権利が強く、ドイツは労働者のガバナンスが強いといえる。日本は雇用者が尊重されているという点では欧州の企業に近いが、持ち合いが広範に見られ経営者が保護されている。傾向としては経済のグローバル化に伴い米国型のガバナンス前世紀末から今世紀初頭にかけて目標とされてきたが、エンロン事件の反省等から、株主主権が強すぎるガバナンスの問題が指摘されるようになっている。→ステイクホルダー
【コーポレート・アイデンティティ corporate identity】
企業の独自性。社名、会社のロゴマーク、経営理念を簡潔に表現したもの(コピー)から構成される。企業の社会的な価値や存在意義を明らかにし、事業展開をリードしていく重要な手段である。しかしながら、1980年代後半に起こったコーポレート・アイデンティティブームでは、実際に多くの企業が内外の宣伝活動の手段として展開しており、数多くのスローガンやキャッチフレーズが構築された。しかしながら、本質的コーポレション・アイデンティティとは、企業の競争優位の源泉を決めることであり、他の企業と差別化することである。この反省が近年の企業のブランド・アイデンティティ構築につながっている。
【コベナンツ covenants】
原義は「約束」あるいは「誓約」。金融の分野では、社債や融資契約において、発行企業や借り主が遵守すべき条項。特約条項や遵守条項などという訳語が使われることもある。日本では、近年、社債におけるコベナンツが柔軟化される一方、融資契約、特に複数金融機関が参画するシンジケート・ローンにおいて、コベナンツが重複されている。具体的には、純資産額維持条項、格付け維持条項、利益維持情報、その他の財務制限条項、担保制限条項、資産譲渡制限条項、報告・情報提供義務条項などの多岐にわたり、個別契約においてどのような条項が記載されるかはケースバイケースである。
【コーチング coaching】
対象者の自発的行動を支援するコミュニケーション手法。より詳しくいえば、対象者が自ら考え、意思決定し、行動することを促し、本人が本来持っている能力や可能性を最大限発揮できるようにサポートするためのコミュニケーション・スキルである。重要なのは、コーチングはあくまでも対象者が自主的に課題を発見し解決していくための触媒であり、コーチを行う側一方的に指示・命令を出したり技術やノウハウを教える「ティーチング」ではないということである。
【個体群生態学 population ecology】
コンティンジェンシー理論においては組織の環境への適合が唱えられていたが、個体群生態学モデルでは個別の企業(組織)の環境への適応力には限界があり、そこに自ずと淘汰の作用が働くとされている。つまり、環境に適合できる企業は市場で生き残ることが出来るが、環境に適合できない企業は市場からの撤退を余儀なくされる。また、環境に適合する新たな組織を持つ企業が出てきた場合には、旧来の組織を持つ企業の生存がおびやかされ、環境に適合しうる条件を備えた企業だけが生き残っていく。このような淘汰のプロセスを繰り返すことで、マクロ的に企業全体を見た場合、結果として環境に適合していくという考え方。
【コスト・リーダーシップ cost leadership】
競争他社よりも低コストの製品を発売することで、優位なポジションを得ようとする戦略。事業規模の拡大に伴う規模の経済性を活用してコスト・リーダーシップ戦略が取られるケースが多い。コスト・リーダーシップを実現するためには低コストを実現するための様々な仕組みが必要となる。定コストでも利益が取れる様な仕組みがない場合に、コスト・リーダーシップ戦略を採用すると、売り上げは上がっても利益が取れないという現象に陥るケースが多くなる。→規模の経済性
【顧客ロイヤルテイ customer loyalty】
特定の企業、ブランド、製品に対して、顧客が継続的に高い評価をする場合、あるいはその企業の製品、ブランド、特定の製品を購入したり、サービスを利用し続ける場合、その顧客にはロイヤルティが形成されているという。ブランド・ロイヤルティは、顧客ロイヤルティの一部である。→ブランド・ロイヤルティ
【顧客満足度 customer satisfaction】
製品やサービスに対する顧客の意識指標の1つ。満足は反復利用を促進するので、満足の形成と維持が企業にとって大きな目標となる。企業では「普通名詞」として使われていることが多いが、有効な専門用語の1つである。よく取り扱われるテーマとしては「事前の期待と事後の満足の関係」「満足要因と不満要因」などがある。また企業はあらゆる顧客を満足させる事はできないので、自社の製品やサービスで満足させたい顧客をまず特定させることが、重要であるといわれている。
【子会社 subsidiary】
親会社によって支配されている会社。法律上の定義は会社法、証券取引法、税法によって少しずつ異なるが、親会社が当該会社の株式の過半を持っている(形式基準)、あるいは過半を持ってはいないが役員の派遣や契約等で支配している(実質基準)場合は子会社とみなされる。→関係会社
【小売の輪 wheel of retailing】
小売業の発展過程に関する仮説の1つ。新たに参入する業態は、低コストを武器としているが、市場のなかで地位を確立する過程で著しいコスト優位性を失い、コスト以外の差異性による競争局面に入る。この際、別の新たな業態がコスト優位性を武器として参入する。このように、新規参入業態が、以前の新規参入業態と同じ参入・展開経路をたどることを小売の輪と呼んでいる。
【効率的市場仮説 efficient market hypothesis】
「特定の情報に基づいて投資を行っても、市場平均を超過するリターンを得ることはできないとき、その市場は情報について効率的である」という定義の下、市場が効率的であると考えるのが効率的市場仮説である。ファイナンス理論で最も重要な仮説の1つであり、効率性のレベルは3つに分けられる。①ウィーク型(過去の価格情報が価格に織り込まれている)、②セミストロング型(全ての公開情報が価格に織り込まれている)、③ストロング型(インサイダー情報を含めてすべての情報が価格に織り込まれている)。
【合名会社 ordinary partnership】
複数の無限責任社員によって構成される会社。経営組織は民法組合に類似しているが法人格を有している点が異なる。無限責任社員はすべての代表社員である。いわば会社の原初的な形態であり、これが有限責任社員の出資を受けると合資会社になる。→合資会社、LLC,LLP
【合弁会社 joint venture】
複数(ただし少数)の企業が共同出資して設立・運営する会社。出資者の投資リスクを分散し、またそれぞれが得意とする機能や事業を受け持つことで事業の成功確率を高めることで意図する。支配権が分散し意思決定が迅速に行えないことが懸念されるが、これを回避するために、出資者のうち特定の1社の株式持ち分を51%にして経営権を付与したり、事業にかかわる覚書を出資者間で手交することが行われる。なお、日本の建設・土木工事において共同事業体をJVと呼ぶのが一般的であるが法人が設立されているわけではない。→LLP